本の上に林檎をそっと置いた。

 

その城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。

                     -梶井基次郎檸檬

 私が高校時代に学んだ国語の授業において、最も印象に残っている文章である。

 ブログを始めようと決意したのは、購入した林檎を本の上に置いた時であり、この一文が突然、頭を過ったからである。作中人物「私」が据えつけた檸檬の周囲には緊張感が漂っていたが、私の置いた林檎の周囲にはまるで緊張感がなかった。というのも、生活自体に緊張感がないからである。

 そこで、日常生活に張りを持たせるためにブログを開設した次第です。日常生活を切り取って言葉にする。その繰り返しによって、少しずつ日常生活に緊張感を取り戻せていければ良いなという思いがあります。どうぞ、よろしくお願いします。